神戸ルミナリエ
阪神大震災の犠牲者の鎮魂と復興への願いを込めた光の祭典「第20回神戸ルミナリエ」が12月15日、閉幕しました。組織委員会によると、12日間の開催期間中の来場者数は約344万4千人で、昨年より約9万7千人も減少したそうです。これについて組織委員会は「前半に例年より寒い日が続いた。多くの人出が見込まれる最後の週末にも寒波が到来したことが響いたのでは」と分析しています。
私もここ数年は毎年行っていたのですが、今年は予定が合わなくて見に行くことができず、とても残念です。
さて、神戸ルミナリエですが、今年の作品テーマは「神戸 夢と光」でした。来年1月に震災から20年を迎える節目に合わせて、第1回と同じテーマが設定されたそうです。
神戸ルミナリエは震災により犠牲になった6434人という多くの命への慰霊と鎮魂、そして神戸の復興・再生への希望を託した「送り火」として、震災の年の平成7年12月にスタートしました。
神戸市中央区の旧外国人居留地や東遊園地を約20万個の電球で彩っている神戸ルミナリエですが、毎年新たなテーマが設定され、そのテーマに沿ってデザインが毎年変わっていることを皆様ご存知でしたでしょうか?
また、今までは東日本大震災以降の節電に配慮し、一部作品を発光ダイオード(LED)に切り替えて開催してきた神戸ルミナリエですが、20回目の今回は特別に、震災当時に思いを巡らせてもらおうと、組織委員会は白熱電球に戻すことを企画し、関西電力に会期中の電力需要を確認したそうです。そして、12月は電力供給量に10%ほどの余裕があったため、全作品を白熱電球に切り替えることが可能になりました。
LEDは「色がはっきりしてきれい」との声が寄せられる一方で、白熱電球のぬくもりと比べて「冷たい」といった意見もあったそうです。
開催当時の白熱電球で作られた神戸ルミナリエは、暖かく優しい光で来場者全員を魅了したことでしょう。
神戸ルミナリエは警備費などに毎年4億8000万円もの運営資金が必要で、資金難で存続を危ぶまれながらも、街の復興を優しく照らしてきました。
神戸は阪神大震災から見事に復興を遂げました。しかし、阪神大震災を風化させてしまわないためにも、これからもずっと神戸ルミナリエが続いていけばいいな、と心から思います。