空間用虫よけ剤
2月20日、消費者庁は、ベランダにつるしたり玄関に置いたりして使用する空間用虫よけ剤を販売する大日本除虫菊・フマキラー・アース製薬・興和の四社に景品表示法違反(優良誤認)の措置命令を出しました。
「つるす、置くだけで虫を寄せ付けない」という表示の根拠が不十分だということで、四社は表示を変える必要があるということです。
消費者庁によると、今回措置対象となった製品は、2011年以降に販売された大日本除虫菊「虫コナーズ」・フマキラー「虫よけバリア」・アース製薬「バポナ虫よけネットW」・興和「ウナコーワ虫よけ当番」などの計30品目です。
これらの製品には「簡単虫よけ」や「シャットアウト」などと表示されていますが、消費者庁の調査によると、各社の製品に含まれる殺虫成分ピレスロイド系薬剤に「ユスリカ」や「チョウバエ」を遠ざける効果があることは認めたものの、各社の試験データは虫の数が少なかったり、屋外での使用を想定しながら風が弱い場所での結果だったりしたため、表示の根拠が不十分と判断したそうです。
実は私も数年前の夏に一度、ベランダの虫よけのために空間用虫よけ剤を使用したことがありましたが、全く効果を感じられずすぐに虫が入ってきてしまったので、今回の一件を見て「やっぱりな…」と思いました。
むしろ、今になるまで問題にならなかったことが不思議で仕方ありません。夏場は特に玄関先などにつるしている家をよく見かけていましたが、皆さんは果たして効果を感じていたのでしょうか…?
また、調査会社富士経済によると、空間用虫よけ剤の市場規模は2000年代半ばから徐々に拡大し2014年には2008年の2倍強の158億円までにもなっていたそうです。
インパクトのあるCMや、薬局などの虫よけコーナーにたくさん特集されているため、「きっと効果があるんだろうな」という期待感、思い込みだけでこれだけの年月にわたって順調に売り上げを伸ばしていたのかと思うと驚きです。
悲しいことですが、いかに人間が情報に流されやすいかがこの一件から分かりますね。
たくさんのモノが満ち溢れる現代社会、消費者として失敗しないためにも、情報に振り回されずしっかりと自分の目で見て考えることが大切だと私は思います。