熊本地震を経て~卒論での着眼点~

2017-06-01

熊本地震から早くも一年が過ぎました。
2016年に発生した熊本地震への対応は、災害時の対応のあり方について再考させられる契機となりました。
情報化社会の発達とともに、被災者や支援者がSNSを通して情報の発信や収集を行うようになりました。
熊本地震に関連するツイッター投稿は、4月14日の地震発生後1週間で約2610万件となり、2011年の東日本大震災直後1週間(115万件)の約23倍に上りました。

そういった環境の中で、地震後の生活空間や生活意識はどのようなものであったのでしょうか。
問題点と、そこから改善すべきこと、それらを整理することは、卒業論文のテーマにもなります。

まずは熊本地震の概要について
〇地震概要
・4月14日21時26分の地震以降、震度6弱以上を観測する地震が7回発生し、うち2回は震度7であった。震度1以上を観測する地震が7月19日時点で1909回発生した。
・2016年7月時点で余震活動は当分の間続くが、最大震度5強程度の強い揺れを伴う余震が発生する可能性は低下した。
〇被害状況(人的被害、物的被害)
・熊本県を中心に、多数の家屋倒壊、土砂災害等により死者64名、重軽傷者約1816名の甚大な被害が出た。
・電気、ガス、水道等のライフラインへの被害のほか、空港、道路、鉄道等の交通インフラにも甚大な被害が生じ、住民生活や中小企業、農林漁業や観光業等の経済活動にも大きな支障が出た。
〇政府の体制と活動
・地震の発生を受け、当日に災害対策基本法第24条第1項の規定に基づき、「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部」を設置した。
・翌4月15日、同本部に、「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害現地対策本部」を設置した。
・4月17日、内閣総理大臣決定により、内閣官房副長官を長とする「平成28年熊本地震被災者生活支援チーム」を設置した。
〇政府現地対策本部が「救助・捜索部隊の活動調整会議」「物資供給の調整」「ライフラインの復旧」「避難所支援」「健康管理支援」「災害廃棄処理」「行政機能の回復」に取り組んでいる。(内閣府「熊本地震の概要」)

こうした状況で多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされ、中には避難所ではなく自家用車の中で生活する人も少なくありませんでした。
以下はこうした生活により生じた問題を取り上げた記事の一部です。

<熊本地震>数千人が自動車で野宿…「エコノミー症候群」死亡警告

19日早朝、九州の熊本県南阿蘇村のある廃校の運動場。
運動場に停めた10台余りの自動車から被災者らが次々と姿を見せた。
追加の地震にともなう被害を心配して避難所に入らず車中泊をする人々だ。
ある女性(56)は「16日に2回目の地震で家が崩れた後、家族6人が車2台で生活している」として「避難所は高齢弱者に気を遣うし、建物の中で生活すること自体が怖くて車で過ごしている」と話した。

地震で家を失った被災者は11万人に達する。被災者の中には家が壊れていなくても公園や駐車場などで自動車の中で生活している人が少なくない。
益城町だけで数千人に達する。
このため避難場所の駐車場や空き地には自動車が並んで停まっている様子を見かける。だが狭い車中で深刻なストレスを受けながら過ごしていると、エコノミークラス症候群をはじめとする2次被害が深刻な状況だ。
(http://japanese.joins.com/article/708/214708.html)

この事実から熊本地震の被災地が抱えていた問題は、避難所や仮設テントが不足していたということです。
被災者には、安全が確保でき、ある程度の広さを持った空間が必要だということです。

以上のように過去のデータ、記事を確認することで、卒論としての問題点を洗い出すことができます。

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