マーケティングで卒論を書く

2018-10-24

製品が売れるために最も大切なことは何でしょうか?

今回の記事では、マーケティング論の観点からこの問いについて検討していきます。

垂直的属性と水平的属性

よく売れる製品には何らかの長所があると考えられます。

製品の「長所」について議論する際の前提となるのは、ある製品が別のある製品と比較されたときに、はじめて特定の属性が「良いもの」として認識されるということです。

製品自体が持つ属性には二種類のものがあります。

それは、垂直的属性と水平的属性です。

前者はその優劣が判断者にさほど依存せず、ほとんど明らかに良し悪しが判断されるような属性です。

例えば、テレビの画質や、ラジオの音質などが該当します。

それに対し、水平的属性とは人によって好みが分かれるもののことです。

これは、食品の味や音楽の曲調など、必ずしも一律的に評価をすることができないものが該当します。

これら二種類の属性をはじめとする様々な形で差別化が行われていることが、製品の良し悪しを考える場合には前もって想定されます。

他社や他の製品との競合の場としての市場において製品が比較された上で、どれが選ばれるかが決定されるのです。

スマートフォンの事例

それでは、一体どのような「長所」をもつ製品が売れるのでしょうか。

製品の買い手である購買者が買うかどうかを決定することから、売れるかどうかを決定するのが購買者であるということが原則になります。

それならば、購買者の嗜好によりマッチした製品が売れるというモデルが考えられます。

この場合、購買者の集合という意味での市場を考えることになります。

具体的な例を挙げると、スマートフォンの購入のケースがわかりやすいでしょう。

購買者は多くの場合、新しい機種を買うことを意図して店舗に足を運び、店頭で実物を確認してから購入します。

そのときに、画面の大きさやカメラの性能、本体の軽さ、電波のつながりやすさなどの属性が検討の遡上に乗せられ、比較考量した上で最も嗜好に合致するものが購入されます。

複数の製品が比較される際、垂直的属性は技術開発によって単線的な「長所」が追求されますが、水平的属性に関しては各々の機種がいわゆる「個性」をアピールし、製品間での差別化を競うことになります。

例えば、垂直的属性にはカメラの画素数、充電のもつ時間などが含まれ、水平的属性には機種の色やデザイン、キーボードの操作性などがあります。

市場セグメンテーション

前者に関しては、比較的単純に「良さ」の向上に努めればよいにしても、後者のような嗜好のばらける属性はどのように扱えばよいのでしょうか。

そこで求められるのが市場セグメンテーションです。

水平的属性は個々人の嗜好ではありますが、そこにはある程度似た傾向を持つグループが存在していると考えられます。

年齢や性別、職業、居住地、などで分けられた顧客の集合がどのように分布しているかを分析し、より大きな顧客層を狙うことで、適切に水平的属性のあり方を決定できるようになります。

販売チャネル

しかしながら、以上の考察があてはまらない状況も存在します。

それは、製品それ自体の属性ではなく、利便性でもって購買を決める場合です。

例えばコンビニのおにぎりを買う場面では、味や海苔の食感はそれぞれ微妙に異なっていますが、そうした製品自体の違い以上に立地が最も重要な要素となり得ます。

すなわち、製品自体の長所ではなく、販売チャネルで製品が売れるかどうかが決まる可能性があります。

おわりに

これまでの考察を踏まえると、製品が売れるためには製品自体の長所はもちろん、その他の長所を付随させることが重要だとわかります。

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おすすめ参考文献

鷲尾紀吉、2009年「マーケティング理論の発展とマーケティング・マネジメント論の展開」『中央学院大学商経論叢』24(1)

草野素雄、2017年『入門 マーケティング論(第5版)』八千代出版

 

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