たま駅長
こんばんは。あなたは「たま駅長」をご存じですか?
おそらく、皆さん一度は耳にしたことがある名前だと思います。
6月24日、和歌山電鉄によって三毛猫駅長「たま」が22日の夜に急性心不全で亡くなったと発表されました。
たま駅長は、5月19日から鼻炎で治療しており、食事も十分に取れない状態だったようです。
享年は16歳、人間にたとえれば80歳ぐらいとのことでした。
たま駅長のことをあまり知らない人の為に、簡単にたま駅長の歴史を振り返ってみますね。
たま駅長は、1999年4月29日に生まれました。
旧南海電鉄、貴志川線貴志駅に住み着いたトラ猫が産んだ女の子で、当初は貴志駅隣の小屋で飼われていたそうです。
ところが2006年に和歌山電鉄に移管される際、地元の自治体によって、たまが住む小屋の撤去を求められてしまいました。
そこで飼い主が「猫が駅に住めるようにしてほしい」と和歌山電鉄の小嶋光信社長に直訴したところ、「ふてぶてしいようで、どこか愛敬のある風貌」が見初められ、2007年の1月、貴志駅の駅長に就任したそうです。
たま駅長の人気は一気に全国区に広まり、たま駅長をモデルにした駅舎や電車ができるなどしてローカル線を元気づけてきました。
また、たま駅長の人気は国内だけにはとどまりませんでした。
国内外のメディアがたま駅長の存在を数多く取り上げた結果、アジアを中心に、たま駅長を一目見たいがために和歌山を訪れる外国人観光客も増加したそうです。
その功績をたたえて、和歌山県はたま駅長に「県勲功爵(わかやまでナイト)」や、「県観光まねき大明神」の称号を贈っていました。
たま駅長は社内でもぐんぐん昇進していきました。
2008年にはスーパー駅長、2013年には社長代理、昨年には貴志川線総駅長職「ウルトラ駅長」に就任していたとのことです。
現在はたま駅長に倣って様々な動物駅長が誕生しているようですが、ここまで世界中に影響を与えるカリスマ性のある猫はきっとこの先現れないと私は思います。
和歌山電鉄は28日午後0時半から、小嶋社長が葬儀委員長となり、貴志駅コンコースで社葬を営むとのことです。
生前のたま駅長に会ったことがある人もない人も、和歌山電鉄の「名誉永久駅長」となったたま駅長と最後のお別れをしに行ってみてはいかがでしょうか。