聴導犬について

2015-03-25

こんばんは。あなたは「聴導犬」と呼ばれる犬をご存じですか?
聴導犬とは、盲導犬のように、障がいのある人間を助けるための特別なトレーニングを受けた犬のことを指します。
つまり、盲導犬が目の不自由な人間の「目の代わり」となってユーザーを助けるのと同様に、聴導犬は耳が聞こえない人間の「耳の代わり」となってユーザーを助けるのです。

具体的な聴導犬の仕事としては大きく分けて二つあります。
一つ目は、聴覚障がい者のいのちを守ることです。
例えば、火災などの警報機が鳴れば、それが睡眠時であってもユーザーを起こして「伏せ」をして危険を知らせます。また、自宅だけでなくデパートや宿泊先でも同じ行動を取ることができます。
二つ目は、家の中で必要な音を知らせることです。
具体的には、目覚まし時計の音、キッチンタイマーの音、電話やFAXの音、ドアベルの音などの日常生活にあふれる音を聞き分け、正確にユーザーに合図をしたり、ユーザーを音の元へと導いたりします。

盲導犬の犬種はゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーがほとんどを占めるのに対して、聴導犬の犬種は小型犬から大型犬まで多種多様であることも特徴のひとつです。
聴導犬になるためにはなにより「適正」が重視されるそうで、その「適正」とは
(1)健康であること。
(2)攻撃性がなく、人が大好きであること。
(3)どんな場所でもリラックスできるような自信を持っていること。
だそうです。

厚生労働省によって発表された「補助犬の実働頭数」(平成27年3月1日現在)の調査によると、盲導犬が1010頭であるのに対し、聴導犬はわずか58頭しかいませんでした。
また、まだまだ聴導犬の知名度は低いということから、「補助犬入店可」と書かれてあるお店に入ろうとしたら入店を断られた、という残念な事例もあるそうです。

犬が訓練を受け、聴導犬としての仕事をこなせるようになるまでにはたくさんの日数やお金がかかります。
当然のことながら、訓練を受けた犬全員が聴導犬になれるとは限りません。
日本中に聴導犬がもっと普及するまでにはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、少しずつでも聴導犬が増え、聴導犬によって救われる人間が増えればいいな、と私は思います。

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